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宅配ボックスを設置するメリットと選ぶ際のポイント
宅配ボックスの需要が高まっています。荷物を受け取る際、宅配ボックスを設置していれば、家にいなくても受け取れたり、対面せず間接的に応対できたり、再配達が減ったりなど、多数のメリットがあります。今回は、そんな宅配ボックスのメリットと、宅配ボックスを採用する際のポイントや注意点を見ていきましょう。
近年、宅配ボックスが注目されているのには、さまざまな理由があります。
2024年から物流・運送業界などにおいて、トラックの運転手などドライバーの時間外労働への規制が強化されることが決まっており、「2024年問題」といわれる物流停滞の恐れが迫っています。そこで物流業者だけでなく国でも「受け取りは1回で!」と消費者に呼びかけるキャンペーンも展開し、同時にその対策として宅配ロッカーの設置や置き配、そして宅配ボックスの普及を目指しています。受取人不在による再配達を減らすことで、都度運んでくるトラックのCO2削減や配達人の手間を省くことができ、環境問題や物流問題に対する効果が期待されています。
そのような効果やメリットが期待される宅配ロッカーや置き配、宅配ボックスですが、宅配ロッカーは設置場所まで取りに行かなければならず、利便性や快適性で劣る点があり、また置き配は盗難のリスクがつきまといます。その点で宅配ボックスは自宅のすぐそばに設置でき、安全性や利便性、快適性で他の受け取り方法に勝ります。
とはいえ、集合住宅では普及しつつある宅配ボックスですが、昨今、戸建て住宅にもその普及に弾みがついている状態です。そのきっかけは、2019年に始まった新型コロナウイルス蔓延です。非対面や非接触を求める消費者や国の施策で、直接受け取ることを控えるようになったからです。そのために置き配や宅配ボックス、宅配ロッカーの普及が進み、その中でも人気が出たのは、安全性や利便性、快適性に勝る宅配ボックスでした。
たくさんのメリットがある宅配ボックスの普及が進むほかの理由として、宅配業者を装って物件の敷地内や部屋に侵入し、時には家に居た家人に危害を加える事件などの影響が考えられないわけではありません。宅配ボックスだけで完全に防げるわけではありませんが、宅配ボックスがあれば、配達の際もドアを開ける必要がなく、インターホンでの対応も行わなくて済む場合もあり、不要な対面・接触を防ぐことができ、一定の防犯効果にも期待できます。
時代の要請を受け、評価やメリットで普及が進む宅配ボックス。まだ未設置のお宅では、今がその好機であるといえるでしょう。
現在、宅配ボックスの種類も多彩になり、さまざまなタイプから選ぶことが可能です。その中で、大きく分けると「ダイヤル式」と「電子式」に分かれます。
前面に付いたダイヤルを使って、施錠・解錠を行うタイプの機械式の宅配ボックスです。
使い方としては、配達人が荷物を入れたら、その場で暗証番号を設定し施錠します。その暗証番号を不在票や配達票に記入し、それをポスト等に投函するのです。受け取る際は、受け取り人が暗証番号の記載された不在票や配達票を確認し、解錠して受け取ります。
こちらはダイヤルでなく、タッチパネルやテンキーから暗証番号を設定したり、ICチップ入りのカードや鍵などで施解錠を行うタイプの宅配ボックスです。
使い方は、配達人が荷物を入れたら、タッチパネルや音声ガイドを使って暗証番号を設定し、施錠します。その暗証番号を不在票や配達票に記入して投函したり、コンピューターによって利用履歴を管理し、メールでの連絡やスマートフォンに通知を送ったりします。受け取る際は、受け取り人がそれらの暗証番号を確認し、解錠して受け取ります。もしくは事前に設定された暗証番号を使ったり、カードキーを差し込んだりして解錠します。
ダイヤル式に比べて電子式宅配ボックスは、よりセキュリティ性の高い施解錠操作が行えたり、使用記録を残せたり、メール通知など便利な機能が備わっている一方で、導入時にかかる設置費用や日々の電気代などコスト面で負担が大きくなる場合があります。
鍵の種類以外にも、屋外設置可能な防水タイプや、電気工事が必要のないタイプ、自宅エクステリアと調和しやすいデザイン性に優れたタイプなどがあります。
採用の際は、費用や利便性、セキュリティ面などを含めて検討することをおすすめします。
以上のように便利な宅配ボックスですが、万能というわけではありません。利用する際は次のような注意点もあります。
まず、宅配ボックス自体が盗難の標的となることです。どんな場所に置くのか、どのくらいの大きさかなどによってもリスクに差があります。外部から見張られて暗証番号を盗み取られる可能性もなくはありません。集合住宅用のような壁一面に設置された宅配ボックスがある反面、戸建て用の宅配ボックスはそれほど大きなものではありません。宅配ボックスをそのまま持ち去られたり、金庫と違い耐久性にも限界があります。操作等が行われた際にスマホに連絡がくるIoTを活用したものを採用したり、宅配ボックスと同時に防犯カメラを設置したり、保険をかけるなどのアイデアもあります。
鍵と防犯の専門家として、私たちは宅配ボックスに関するご相談も承っております。お住まいの地域や時期によっては、自治体や行政による補助金などの支援制度がある場合もございますのでそれらも併せてご確認いただきつつ、宅配ボックスに関するお悩みやご不明な点などがありましたら、戸建て住宅・集合住宅問わず、ぜひお気軽にご相談ください。